(漫才)福井顎太郎
山形:はいどーもー。Cloock-Clockでーす。
福井:さぁ〜今日も例のごとくアゴが長いヤツが出てきましたよ〜!
山形:ってなワケで突然ですけどもここに来て野球人気が再燃してるみたいですね。
福井:そうですね。これはやっぱりWBCで日本が活躍して優勝を勝ち取ってくれたお陰ですよ。
山形:うん。イチローとか福留とか上原とか毎日違うヒーローが出ましたからね。
やっぱり個々が活躍したチームは強いですよ。
福井:そう。だからね、俺もヒーローになりたい。
山形:あぁ良いですね。でもヒーローって一口に言っても色々ありますよ?
福井:ありますね。もちろんスポーツで活躍してヒーローってのも良いですよ。
だけどね、困ってる人を助けるヒーローってのも絶対カッコイイしやりがいがありますよ。
山形:あぁ確かにそれはやりがいあるね。
福井:んでね、思ったんだけどTVでよく戦隊ヒーローみたいなのあるじゃないですか。
山形:ありますね。ウルトラマンだとかなんとかレンジャーみたいなのだとかね。
福井:でもそいつらは悪者と戦うばっかりじゃないですか。
山形:そりゃあ戦隊ですからね。
福井:だからね今度は困ってる人、例えばお年寄りだとか捜し物をしてる人だとかを助けるヒーローもTVには必要かなと。
山形:なるほどね。
福井:だから今日はね、俺がそのヒーローになって困った人を助けるから。
山形:わかった。んでヒーローの名前はどうすんの?やっぱり格好いい名前は必需だよ。
福井:えーとね……じゃあ福井顎太郎で。
山形:・・・福井顎太郎?また随分とシュールな。
福井:アゴアゴ変態・福井顎太郎ですよ。
山形:あっ、それはやめよう。ヒーローで「変態」はよろしくねえから。
福井:とにかく福井顎太郎ですよ。
山形:わかったわかった。じゃあ俺はお前のお望み通り、落とし物をしちゃった少年の役やるから。
福井:なら俺は、重い荷物を持って困ってるお年寄りの役やるから。
山形:それじゃ意味ない!困ってる+困ってるで凄く困ってる地獄から抜け出せなくなっちゃうから。
福井:じゃあ俺は何をやりゃあいいんだよ?
山形:さっさと福井顎太郎でもやっとけバーカ!
福井:わかりましたよ。
山形:あれー?おかしいな?無い無い。ヤバいどうしよう。
福井:(スタッ)どうした少年?
山形:わーっ!おっさん誰?
福井:おっさんじゃない。おっちゃんだ。
山形:どっちでもいいでしょ別に。で、誰なんだよ?
福井:心配するな。怪しい者だ。
山形:いやそこは少しでも否定しなよ。警察呼んだら終わりだよ。
福井:あぁそれは困る。せめて呼ぶなら救急車を呼んでくれ。
山形:なんでだよ。別に誰も怪我も何もしてないだろ。
福井:実はおっちゃんな、普通は黄色い液体が出てくるはずの股関節の部分から
なぜか赤色の液体が出てくる病気に悩まされてるんだ。
山形:素直に血尿って言えばいいじゃん!んでそれならとりあえず家で安静にしてなよ!
福井:おっとそれは出来ない。
山形:え?
福井:おっさんは困った人がいるからこの世に存在しているんだ。
今日も何処かで誰かが困っているからこうして戦っているんだ。
山形:ふーん。そうなんだー。よくわかんないけど。
福井:で、少年どうした?あるいはどうした少年?
山形:いやどっちでもいいと思うけど…僕、財布落としちゃったんだ。
福井:ははっ。
山形:いや笑うなよ。とっても腹にムカツキが溜まるからさ。
福井:それなら養命酒でも飲めよ。
山形:そういう事じゃないよ!まったくもう。冷やかすならおっちゃんどっか行ってよ。
福井:ごめんごめん。おっちゃんも一緒に財布捜してあげるよ。
山形:またどうせそんなこと言って。テキトーにしか捜してくれないんでしょ?
福井:もちろん。
山形:うぉい!帰れ帰れ!
福井:冗談、冗談。冗談だって。真面目にやるって。信じてくれよ。
山形:・・・本当?
福井:本当だよ。
山形:命賭けれる?
福井:違うものにして。
山形:じゃ何賭ける?
福井:養命酒。
山形:だからいらないって!そっくりそのままお返ししてやるぜ!
福井:それは困る。せめて血尿が治る薬にご変換していただかないと。
山形:いや、それはちゃんと個人で病院行って。
福井:・・・はい。
山形:ってかそろそろちゃんと捜そうよ。
福井:そうだな。少年、家を出たときは何処に財布を入れてたんだい?
山形:え?左のポケットの中だけど。
福井:なんだ!なら話は早いわ。
山形:も、もう場所がわかったの?
福井:君の左のポケットの中だよ。
山形:そこに入ってねえから困ってんだよ!入ってたらこんなとこでチョロチョロしてないって!
福井:そうか…落とした覚えは無いんだな?
山形:全く無いよ。
福井:チッ。物忘れが激しいヤツめ。
山形:いや物忘れも何も記憶すらないんだよ!
福井:しょうがない。ここは俺が本領発揮しないとダメだな。
山形:どういうことだよ。
福井:「悪魔の色は黒い色、天使の色はホワイテスト、
山形:何だ、急に?
福井:てめえのアゴは長いにありけり、
山形:それはおっちゃんだ。
福井:まさにゴツゴツ歯並び悪し、お肌ツルツル頭もツルツル、
山形:ハゲてんのか。
福井:おまけに髪の毛サラサラで、狙った獲物は逃がさない、
山形:それはすげぇな。
福井:ただし確実とはいえないが、
山形:逃がしてるんじゃねえか。
福井:それこそが俺の使命である。いでよ!アゴガノビールチヂームー!!」
山形:なんだなんだ?
福井:(ピカーン パァァァ…)
山形:うわぁ!おっちゃんが光った!
福井:(ガカーン)
山形:おっ…おっちゃんが巨大に!
福井:ただいま、変身終了しました。
山形:一体なんなんだよ?!
福井:青森で生まれ育った不屈のヒーロー、福井顎太郎参上!
山形:不屈のヒーロー?!
福井:そうさ。おっちゃんは困った人を助けるヒーローなのさ!
山形:へぇ〜。
福井:別名、浪花のキットカットとも呼ばれている!
山形:よくわかんねえよ。青森出身の時点でその呼び名間違ってんだろ。
福井:……まぁ何はともあれ。
山形:別に上手いこと言えとは言ってないよ。
福井:本当の財布のありかは私にはもうわかっている。
山形:ええっ?
福井:2つ前の曲がり角の電柱の脇だよ。
山形:ホ…ホント?!ってか何で…?!
福井:さっき若くてかわいい女の尾行してたら、
山形:それストーカー。
福井:偶然お前が財布落としたの見た。
山形:たまたまかよ!ヒーローらしからぬだな!
福井:本当は拾ってあげようかと思ったんだけどね。
山形:だけど?
福井:拾ったら拾ったで、たぶん盗んで治療代にしちゃう気がしたから止めた。
山形:しちゃうなしちゃうな!危うく全額を他人の色変化治療に使われるとこだったよ!
福井:というワケで、さっさと交番行ってこい!
山形:・・・なんでだよ。
福井:あぁそうか。今日は交番定休日だもんな。
山形:そういうシステム無いよ!さっきおっちゃんが電柱の脇って言ったんじゃねえか。
福井:そうだ、電柱の脇だったな。こりゃカルカッタ。
山形:悪かったって言いたいの?
福井:さぁ、俺みたいに怪しい他人に盗まれる前にさっさと電柱のところへ!
山形:うん。わかった。行って来るよ!ありがとね、おっさん!
福井:だからおっちゃんだって。
山形:(スタタタタタ…)
福井:はっはっは。今日も困っている人を1人救ったぞ。
困っている人がいる限り、俺はいつでも飛んで行く。
ムムッ。また何処かで誰かが呼んでいる。行かねば!さらばだ諸君!
山形:次週、交差点で重い荷物を持っている老婦人を助けn…なんだこれ?
福井:いやぁ〜楽しかったぜ。やっぱりヒーローはいいね。
山形:楽しかったとかじゃなくてさ…
福井:これはもの凄い視聴率稼げそうだわ。
山形:実質出番なんて一瞬で終わりだしさ。放送すらされんわ、こんなの。
福井:WBCのドミニカ共和国対ベネズエラ戦の視聴率を上回るよ、これ。
山形:対称軸がおかしいだろ。民放とか衛星放送とかでやってたかどうかさえわかんねえよ、その試合。
福井:とにかく視聴率をたくさん稼げば、みんなにギャラがガッポガッポ。
山形:視聴率以前の問題になるって。
福井:そうしたらちゃんとお前に養命酒おごってやるから。
山形:まず顎太郎の血尿治せ!いい加減にしろ。
2人:はい、クルックークルックー。どうもあごがとうございました。
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